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Introduction
あなたの創意工夫とテクノロジーに関する能力が問われます。
山の中に設置したあなたの作ったカメラがたった一人でクマの生態を監視し、アジトに映像を送るのです。それだけでもすごいこと。
だけど、クマの映像がちゃんとキャッチできたら!とっておきの夏になるでしょう。
Le Séjour
電気の線、バッテリー、太陽ソーラー、電気のカード、コンピュータの処理装置はとってもおもしろい冒険に連れて行ってくれます。
大自然の中に生きるクマを観察するのです。完全に自動のカメラを自分で設置し、そこから送られてくる映像を受信します。
ロボットや電気、高レベルのテクノロジーが好きなあなたのためのキャンプ。
ロボットとは自動で任務を遂行する機械のこと。つまり、私たちに代わって問題を解決してくれるのです。自動で仕事をする私たちのカメラもロボットであるということです。
数年前から動きを読み取るカメラは自然科学の世界においても生態系を観察するために使われるようになりました。そのシステムを私たちの力で改善を重ねて、生態系を守るプロの自然科学者が使う本物の道具にすることが目的です。
あなたのミッション : 自然科学者、生物学者の間で行われている野生動物の追跡調査に必要なロボットを作ること。プロジェクトの成功には、野生動物の動きを追う探知カメラと、映像をセンターに送るための機械を完璧に操作するチームが必要です。
ホコリに強く、防水で、衝撃に強い機械に仕上げていくため綿密な改善作業を続けることになります。もう1つのチーム『クマの足跡』と相互協力しながら、野生動物の写真や映像を収集します。
どの動物も独自の生態、暮らしと住処があります。それぞれに合わせた工夫をします。それでも、クマのようにひっそりと暮らし、人間の世界に全く近づかず、とっても観測が難しい動物もいます。
邪魔をしないで調査することはできるでしょうか。観察活動の中でも最も難しく、工夫の必要な対象の1つです。だからこそ腕の見せどころでもあるのです!
始めにすることは、動物の複雑な動きを想像し、距離があっても撮影して情報がセンター届くように既に設置されているカメラにプログラミングすること。それからは問題があるごとに解決方法を模索し日々改善を目指します。チームの創意工夫がこの調査の結果を決めるのです。
このキャンプは、2006年からキルギス共和国で開催しているユキヒョウ追跡調査と連携しています。 野生の動物たちは、人間に遭遇しないように隠れて生活しています。調査にあたっては、自然のルールを尊重し、遠く離れた所から、動物たちを刺激しないように観察します。
グループに分かれて活動します。
- 若いメンバーのグループは自然の中で動物を待ち伏せし自動の機械を操作します。たくさんの冒険に出かけたい人のためのグループ。
- 青少年グループはロボットを操作し、生態系の保全のために自分の創意工夫の力を試したい人のためのグループ。2日から3日の遠出をして大自然の中調査活動をすることもあります。
技術的、教育的手順
簡単な試行から、より経験を重ね難しい問題解決まで順を追って進みます。電気機械の取り扱い(リモコン)、距離計の操作(GPS)、電気機械の自動操作(モーターやカメラ)、製図法の習得、生物学的知識の習得(動物、植物、生活様式、適応、生活圏)、追跡手法の発展。電気工学や自然科学を駆使した調査にあたることで学問の垣根を超え学際的なプロジェクトに取り組む喜びを経験することになるでしょう。
自然の中での体を使った冒険と自然科学の研究。それだけでなく、電気、情報、ロボットといった技術を使い自然の豊かさに出会い、自然の保護を考える機会にしようという企画です。
若い頃から環境保護に対する意識を持ち、科学的知識を身に付けることは、生涯必要となる自然への敬意を示すにあたって一番大切なことです。 情報を仕入れ、学び、反応するすることがキーワード。
どのグループに所属するかはキャンプが始まってから変更することもできます。
- レベル1 : 動物の追跡カメラの操作、野生の生態の観察
- レベル2 : カメラについて、電気、情報システム、ロポットについての理解。野生動物調査の手法の習得。
- レベル3 :電気、情報システム、ロボットの扱い、実験、マニュアルの作成、これまでの手段の改良、調査結果の発表
OSIの教育チームは、参加者が科学に対して少しずつ理解を深められるようになるための進歩を支援します。一つ一つのアイデアや意見は公平に取り上げられ、研究プロジェクトでの発見は全て公表されます。
参加者自身が描いたクロッキーや調査記録を持って帰ることで、調査結果を他の人に伝えることができます。その後引き継がれたプロジェクトの追跡記録も公開されるので、キャンプが終わっても引き続き情報を得ることができますし、同じプロジェクトでまた研究に加わることもできます。Signé, l’équipe pédagogique.
そしてクマは?
ヒグマ (Ursus arctos) :
陸上にいる一番大きな哺乳動物として知られているクマ(学名:Ursus arctos)は、一番迫害されている動物でもあります。
数世紀にわたる狩りと山林の伐採によってクマは数を減らしてきました。
フランスでは中世以降はアルプスの東、南、中心でしか見られなくなっています。1990年にはピレネー山脈で6頭を数えるのみでした。それゆえ、1996-1997年に数を増やす計画がスタートし、スロバニアからクマ3頭を連れて来ました。2006年にはさらに5頭がスロバニアからやってきて、現在ピレネーには20数頭が暮らしています。
けれども残念ながら、迫害は続いています。
クマのすみかの破壊、人間の活動によるクマの生活への影響、道路による生活圏の分断、密猟。山と林は生き物皆の生活の源です。しかし、人間は複雑な生態系の貴重なバランスにさまざまな形で悪影響を及ぼしています。
生態系の理解と維持のための考察ががこのキャンプを通しての課題となります。生物多様性、生態系、食物連鎖、再生産とテリトリー、成長サイクル、隠れ家と生活の適応様式を理解すること、観察の方法を学ぶこと、そしてもちろんロボットをプログラミングすること。キャンプの間にたくさんのことを身につけることになるでしょう。